トン・コープマン オルガン・リサイタル @所沢2016/06/26 21:41

今日は所沢まで出かけてコープマンのオルガンを聞いてきました。何年ぶりでしょう? 2009年の来日の時には呼び屋が倒産して、散々な目に遭ったみたいですねぇ。私もこの時はチケットの払い戻しができませんでした。ほとんど毎年のように来ていましたからたぶん最後に聞いたのは2008年だったんだと思います。

今日は暑かったよぉ。最高気温は30℃とか31℃とか。航空公園の駅で京樽の弁当を買って、途中、公園の自動販売機でお茶を購入。暫し歩いて、ずんぐりした飛行機の前にベンチがあったので、そこで昼飯。食っている間に雲行きがおかしくなって、大粒の雨がポツリポツリとな。大急ぎで飯をかきこんで、ホールへ。ホールのビュッフェでレーベンブロイを一杯。ほっと一息です。

所沢ミューズのホームページはこちら。動画も置いてあります。

曲目は

ブクステフーデ
* トッカータ ヘ長調 BuxWV157
* 『わが魂よ、いまこそ主を讃えよ』 BuxWV214/215/213
* 前奏曲 ニ長調 BuxWV139

スウェーリンク
* 大公の舞踏会 
* エコー・ファンタジー イ短調

ダカン
* 『イエスがクリスマスにお生まれになった時』

バッハ
* 『おお愛する魂よ、汝を飾れ』BWV654
* シュープラー・コラールから『目覚めよと、呼ぶ声あり』BWV645
* 幻想曲 ト長調BWV172

___________休憩____________

バッハ
* 小フーガ ト短調BWV578
* ドイツオルガンミサ(教理問答コラール)から『天にいます、われらの父よ』

ホミリウス
* 『我が神よ、わり心を汝に捧げん』

バッハ
* パッサカリア ハ短調BWV582

久々にコープマンの姿を見ました。もう70越しているのかもしれませんが、相変わらず活気とか元気とか快活とか活力とかとにかく、生き生きとした雰囲気を体全体から発散させながら登場。例によって、慌ただしくピョコッとお辞儀をして、ほとんど間を置かずすぐに弾き始めます。

オルガンの限界を試すかのように、弾き始めにいきなりブクステフーデのデーハーなトッカータでホールを音で満たします。コープマンはいつもこんな感じ。最初からエンジン全開で弾きまくります。『わが魂よ、いまこそ主を讃えよ』はたぶんあまり聞いたことがないコラール。コラールの定旋律が様々な対旋律で彩られたりフーガ風の楽想まで登場します。ブクステフーデの3曲目は前奏曲 ニ長調。トッカータのような2声の走句で始まって、やがて堂々としたフーガに。それから一層荘重な和音の連打と分散和音。この絢爛豪華な音楽はブクステフーデの真骨頂ですねぇ。

続いてこれもお得意のスウェーリンクを2曲。大公の舞踏会はチェンバロで演奏しても楽しい曲ですが、ちょっと速めの舞曲をオルガンでやってもなかなか面白い。エコー・ファンタジーは短調の比較的短い一曲。最後の終止に向けての左手の装飾が秀逸。続いてダカンのクリスマスソング。リード管のしっとりとした味わいがなかなかよろしい。

ここから先はバッハ。まずコラールを2曲。有名な『目覚めよ・・・』のコラールはかなり速めのテンポで対旋律を始めるんですが、コラール主題がそれにぴたりと寄り添うかのように響いていました。幻想曲 ト長調というのはおそらく初めて聞いた曲でしょうか。かなりの若書きらしいけど、続けて演奏される3楽章からなる規模の大きな作品。トッカータ風でもあり、対位法的な部分もあり、でもあまり面白くはないかな。

後半は有名なト短調のフーガ。それからVater unsre。付点リズムと三連符でゆったりと流れていくうちに、定旋律のカノンが組み込まれているという複雑怪奇な一曲ですが、コープマンは鮮やかに謎を解き明かしていましたねぇ。次のホミリウスというのはバッハの弟子だったんだそうだ。そうねぇ、師弟関係があったって言われりゃそうかもしれない。でも印象には残らないコラールだねぇ。最後のパッサカリアは圧倒的な華やかさ。そして音量。短めのアーティキュレーションで、かなり速めに弾き進んでいきますが、それでもホール一杯に広がるオルガンの響き。やっぱりオルガンはこうじゃなくっちゃね。
久々にオルガンを堪能した演奏会でした。この所沢のホールは、響きがいいねぇ。オルガンの響きがホールを満たすんだけど、決して飽和しない。でも響き自体はものすごく豊潤。

アンコールはえーと、スカルラッティとか、なんかスペイン風の曲もあったかな。それからバッハの有名なBWV639『主イエス・キリスト、われ汝を呼ぶ』、タルコフスキー監督の『惑星ソラリス』の音楽です。コープマンお得意の一曲ですね。最後もピョコリ・ピョコリとお辞儀をしておしまい。いやあ、この人の演奏を聴くと、こちらも不思議と元気になっちゃうんですよね。



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雨は降らなかったんですが、蒸し暑い一日でした。所沢の航空公園はなんだかすごい人出でした。駐車場の車を見ると、静岡やら湘南やら、結構遠くからやってきているみたいですねぇ。

クロチルド・スーペール(粉粧楼)

2番花もよく咲いています。

クリムゾン・グローリーが咲き始めました。まだトンボがいます。


紫のシャルル・ド・ゴール

オレンジ・マザーズデイ

アンナプルナ

ドゥフトゴルト

厚い雲に覆われていたんですが、かなり暑かった。朝方



西日

大量発生したトンボさん、まだ少し残っています。



楽園

ここにもトンボが

真夏の花、マツバボタン


涼しげなストケシア


夏に向かってだんだん訪問者が増えていきます。今日はツマグロヒョウモンさんがやってきました。アゲハチョウも飛んでいました。

これはたぶん雄かな。